皆さんお引越ししたことありますか?
恐らく、ほとんどの方が1回位は経験したことがあるのではないかと思います。
荷物をまとめたり、要らないものを整理したり、引越し業者の見積もりを取ったり・・・
結構やることが多くて大変です。
高齢者の方が自宅から有料老人ホームなどへ住替えをされる場合、ほとんどのケースでそれまでの自宅に比べて狭いスペースへの住替えとなります。なので、高齢者の住み替えに際してはかなり思い切った家財の処分が必要です。最近「断捨離」などという言葉を聞くことがありますがまさに断捨離をする訳です。実際にこれまで自宅から老人ホームなどへ住み替えを検討されている方のご相談に乗ったケースでも、自宅の売却と共にこのような家財の処分についてご相談を受けることも良くあります。
この場合、まず気を付けて頂きたいのが業者選びです。中には悪質な業者が居て、最初の見積もりでは安い事を言って依頼を受けておいて実際に作業当日荷物を全てトラックに積み込んだ後、あれこれ理由を付けて追加料金を請求して来て、払わないと荷物をおろして帰ると言われ泣く泣く高額な追加料金を支払ってしまうケースもあるようです。
業者を選んだら実際の作業ということになりますが、この場合、捨てるものと持って行くものの選別はご本人がする必要がありますが、実際に運び出す作業は不用品の回収業者に依頼して行ってもらいます。また、老人ホームなどへの住替えに際して入居資金などに充てる為ご自宅を売却される方も多いですが、一般的に高齢者の不動産売買では認知症などで、ご本人の意思能力に問題がある場合、自宅不動産の売却に際して成年後見人の選任を行い、かつ、家庭裁判所の許可が必要になるなど、通常の不動産売買に比べて非常に煩雑な手続きが必要になります。
老人ホームへの住替えに限らず、遺言や相続などの話をすると、「まだまだ元気だから」とおっしゃる方も多いですが、業者さんに依頼して家財を処分したり、自宅を売却したり、家財の処分をしたり、また将来の不安に備える公正証書遺言を作成したり、といった事を行おうとする場合、どれもかなりエネルギーが要る作業になりますし、例えば公正証書を作成するにしても、公証役場に行くのが大変であれば公証人に施設まで出張して作成してもらう事は可能ですが、遺言書にする署名は自署でなければなりません。また、そもそもご本人が認知症などで意思能力に問題が出てしまっていたり、署名が出来なかったりすると、そもそも公正証書の作成自体が出来ません。そう考えると高齢者のお引越しや将来の不安に対する備えはまだ早いと思うくらいの時期が丁度良いタイミングなのかも知れませんね。