2020年、東京オリンピックが開催されます。
普段、お年寄りとお話をしていると「何とか生きているうちにオリンピックをその目で見たい」という声を良く聞きます。
前回、1964年に開催された東京オリンピック、私はまだ生れていませんでした。その前回大会の開催を実際に体験されている皆さんです。当然もう一度生きているうちに見たいというのも解ります。
私も、初めて夏季オリンピック大会の生の空気を体験出来る機会を楽しみにしています。
さて、今日は、この2020年、東京オリンピックの開催と相続について考えてみたいと思います。
現在、東京の不動産マーケットでは、オリンピック開催によりエリアとしての魅力やインフラの整備に伴い都心部への交通アクセスが向上し、地域人口の増加につながるという期待感から、居住用の物件だけでなく投資用としても勝どき、晴海、豊洲といった湾岸エリアの新築・中古分譲マンションや開発用地に対する需要が高まっており、既に価格が上昇傾向を見せています。
建て替えが予定されている国立競技場周辺の青山・神宮外苑などのエリアの他、リニア新幹線計画に加えて、湾岸エリアへのアクセス拠点である品川駅周辺も、都内他地域に比べて地価の上昇が見込まれています。
このように、オリンピックのような一大プロジェクトの実施は、その開催都市の経済や不動産マーケットに少なからず影響を与えます。
例えば、この「オリンピックの開催による首都圏の不動産価格の上昇」という情報に関連して、相続時精算課税制度に着目してみては如何でしょうか?
皆さんもご存知の通り、この制度の仕組みは、60歳以上の親から20歳以上の子や孫への贈与について、選択性により通常の暦年贈与の非課税枠に代えて、贈与時2500万円を超える部分についてのみ一律20%で贈与税を納付し、相続時において相続税で精算するというもので、贈与税と相続税の一体化措置といえます。
最終的に、相続税の納付に至らない相続財産の方でしたらあまり関係ないかも知れませんが、基礎控除の枠で収まりきれず、最終的に相続税を納付しなければならない可能性のある方の場合、相続時にその時贈与した財産を再度相続財産に合算して相続税の計算をする事になりますので、この制度はあくまでも課税の先延ばしであり原則的には節税にはならないと言われています。
しかし、贈与した土地がその後、相続開始時に値上がりしていた場合、相続税の計算上はさかのぼって贈与時の評価額で合算されるため、相続時点の評価額よりも低い評価額で合算出来る事になり、間接的な節税効果があります。
このように、様々な世の中のイベントと相続の問題を関連付けて考えてみるのも面白いのではないかと思います。