最近のニュースである芸能人の方が自身の芸能生活60年を祝うパーティの当日に会場のホテルの段差で転んで怪我をしたというニュースが流れていました。先日、当協会で受けたご相談でも、自宅での転倒事故で骨折してそれを契機に自宅での生活に不安が生じてしまい施設への住替えを検討したいというご相談がありました。
基本的にはほとんどの方が出来れば慣れ親しんだ自宅で何とか頑張りたいとおっしゃいます。しかし、前出のケースのように様々な理由で在宅生活が難しくなってしまう方がいらっしゃるのも現実です。最近は公共施設や民間の新しい建築物などでは「バリアフリー」という概念が段々浸透してきた感がありますが、高齢者の方がお住まいの一戸建てやマンションなどはそういう概念が提唱される前に建てられたものが多く、実際に家の中のいたる所に段差があります。それに対して高齢者の方は加齢に伴う筋力の衰えなどで自分では上げているつもりでも思ったより足が上がっていないという状況が発生しがちです。なのでちょっとした段差でつまずいて転んでしまうという転倒事故事につながるようです。そういったリスクに対する対策として、例えば「自分は身体のこういう部分が不自由だ。それではどこに手すりを付けた方が良いだろうか?」とか「室内の照明はどうすればよいだろうか?」「何時も使う物を置いておく場所の高さはどうすればよいだろうか?」「各収納やお部屋の出入り口などの扉は引き戸が良いのか?ドアで良いのか?」など、様々な要因を検討して物理的に今すぐ出来る対策と言うのもあると思います。しかし、それらを全て検討して実施したとしても時間の経過と共にそれでも対応出来なくなる時が来る可能性も十分考えられます。現にそのような状況でご相談に来られる方も多いのですが、在宅での生活が限界になったような状況で、そこから施設探しや自宅の売却、家財の処分、お引越しなど住替えに際しての様々な問題を一つ一つ解決して行くのは大変なエネルギーを要します。実際にそのようなケースをサポートしている中での実感としてはもう少しお元気なうちに、少し早いかなと言うくらいのタイミングでそのような問題の準備をしておく方が良いのかも知れません。