最近は「終活」という言葉を耳にします。葬儀や墓など人生の終焉に向けての事前準備などの意味で平成21年に週刊朝日が造語として造ったのが始めのようですが、最近ではそれだけにとどまらず「人生のエンディングを考えることを通じて自分を見つめ、今をよりよく、自分らしく生きる活動」のこと全般を指す言葉として定着しつつあります。私も普段そんな終活の分野の中で遺言や相続などについてご相談を受けますが、その中でも特に準備をしておいた方が良いのが、子供の居ないご夫婦の相互遺言(ご主人は奥様に、奥様はご主人に)です。何故かと言うと相続の方式には大きく分けて2つの方式があり、遺言がある場合は遺言の指定に基づいた「指定相続」。遺言が無い場合、法律の定めに基づいて法定相続人全員で話し合う「法定相続」となります。子供の居ないご夫婦の場合、例えばご主人が先に亡くなった場合、遺言が無ければ、法定相続人は配偶者とご主人の親、親がご主人より先に亡くなって居た場合、配偶者とご主人の兄弟という事になります。ご高齢の夫婦の場合、親世代がご存命なケースは稀ですので、ご主人が亡くなった相続で奥様とご主人側の兄弟。或いはご兄弟がご主人より先に亡くなって居た場合兄弟の子(甥、姪など)が法定相続人となります。そして、ご主人名義の銀行預金を解約したりご主人名義の不動産を奥様の名義に変更したりする場合必ず法定相続人全員の合意に基づいた遺産分割協議書(実印捺印、印鑑証明添付)が必要となります。たまたまご主人のご兄弟や、ご兄弟の子が全員良い方で何も異論なく遺産分割に応じて頂ければ良いのですが、実際の相続の現場ではこの兄弟相続のケースが一番揉める確率が高いのが現実です。しかし、遺言でご主人が自分の全ての財産を奥様に相続させると書いておけば、兄弟には遺留分(法律で保証された最低限度の相続分)が無いので遺された奥様が相続手続きで大変な思いをする事はありません。
2017
16Aug
相談事例
親から相続した実家とアパートが兄弟で共有名義になっています、不動産の共有は良くないと聞きました。どうすれば良いでしょうか?
【質問】 数年前に相続した実家とアパートが兄弟3人で共有名義になっています、実家は空き家で誰も住む予定は無く、アパートについては次…
数年前に主人を亡くしました、子供が居ませんので自分の葬儀やお墓の事などでまわりに迷惑をかけないようにしておきたいのですがどうすれば良いでしょうか?
【質問】 数年前に主人を亡くし、現在は自宅で一人暮らしです。私たち夫婦には子供がおりませんので自分が死んだ後の事でまわりに迷惑を…
親が現在80代でそろそろ相続の問題も考えなければと思っています、特に相続税の事などが心配です。
【質問】親が現在80代でそろそろ相続の問題も考えなければと思っています、特に相続税の事などが心配です。 相談者 横浜市 50代 …