【質問】私は現在80代で数年前に主人を亡くし現在都内の一戸建てに一人で住んで居ます。私たち夫婦には子供がおりませんので身の回りの事など、姪(主人の姉の子)がたまに様子を見に来てくれます。寝室が2階にあるので毎日階段の上り下り必要なのですが最近はそれも段々辛くなって来ました。おかげさまで私は未だ要介護認定という所までは行っておらず、介護が必要な訳ではありませんが、最近は元気な高齢者向けの賃貸住宅などもあるという事を聞きました。姪がパソコンで検索して周辺にある施設の情報を教えてくれましたがどのようにして選んだら良いのかが解りません、何かアドバイスを頂けますでしょうか。
相談者 世田谷区 80代 女性 M様
【回答】M様のご質問の件ですが、M様と同様、近年単身高齢者の方で将来に不安を感じている方が多くなって来ています。M様だけではなく、一般的に、加齢とともに足腰が弱って来たなどの理由で自宅での生活がこれまで通り出来なくなってくるケースは多い様です。そういったケースの場合、例えば、自宅の段差を解消したり、手すりを付けたりといったバリアフリー改修工事に関して「高齢者住宅改修費用助成制度」を利用すれば、介護保険から最高20万円(支給額18万円 ※工事費の9割を介護保険から支給)の助成を受けることが出来ますが、その場合、申請するご本人が要介護認定で「要支援・要介護」と認定されていることが要件となります。ですからM様の場合現状、要介護認定が無いということですので自宅の改修について介護保険からの助成は受けられません。しかし、単身高齢者の不安は自宅の段差など、ハードの部分を改善すれば全て解決するかと言うとそういう訳でもなく、やはり、何かあった時の見守りや駆けつけの体制が有るかどうかなど、ご本人を取り巻く人的要素、いわゆるソフトの部分がむしろ重要な要素なのではないかと思います。そういった意味では、現在ご検討されている高齢者向け住宅への住替えなども一つの選択肢になって来るのではないかと思います。
施設の選び方についてですが、実際に施設見学などに行くとどうしてもみなさん建物や設備などのハード面に目が行きがちですが、入居後に重要なのはどのようなスタッフが居てどのようなサービスを提供してくれるのか?どのような入居者が居てどのように生活しているか?等々むしろソフト面だと思います。しかし、中々、そうした事を自分で情報収集して判断するのは難しいものです、そういう時は、これまで自社で紹介した入居者からのヒアリング情報などの蓄積で様々な施設のそうした情報を沢山持っていて、第三者的観点でその方とその施設のマッチングについてアドバイスをくれる中立的立場の紹介センターの存在は非常に頼りになります。もし、ご自分で中々判断が出来ないということであればそのようなサービスを利用されると良いのではないかと思います。また、現在はお元気でも入居後にお身体の状態の変化や認知症などで判断能力に問題が出てしまうことも考えられます。そういった場合に備えてお身内の方など信頼できる方との間で財産管理や任意後見の契約を交したり、相続やご自身の葬儀などに関してもあらかじめ遺言などでこうして欲しいといった希望を書いておかれると良いのではないかと思います。