皆さん「家族信託」という言葉を聞いたことがありますか?近年信託法が改正されたことにより行えるようになった家族型の民事信託の事です。この家族信託を活用する事で、民法の遺言規定で出来ない数世代に渡る資産継承が出来るようになったり、成年後見制度で出来ない認知症になった後の資産の積極運用が可能になったりという事で、近年、我々のような専門職の間でも非常に注目されています。
従来、信託と言えば信託銀行などが行う「商事信託」のことをイメージする方がほとんどだったと思います。何やら新しい制度のようだけど大丈夫なのか?と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、実はこの「親しい人に財産を託す」という考え方は実は、中世ヨーロッパで始まった「信託」の始まりの姿そのものなのです。
というのも、中世ヨーロッパでは、十字軍の遠征に向かう兵士が、残していく妻や子供の為に、信頼できる友人に自らの土地や財産を託し、その土地や財産を管理して妻や子供の面倒をみてほしいと、託して戦場に向かいました。 これが信託のはじまりとされています。
ですから、親族間で行う家族型の民事信託は、本来の信託の始まりの姿に非常に近い考え方なのです。私がこの制度を初めて知ったのは、数年前に、当時蒲田公証役場の公証人を務められていた遠藤英嗣先生がかかれた「新しい家族信託」という本を読んだのがきっかけでした。読み進むごとに正に目から鱗が落ちる感覚で衝撃を受け、是非自分でも使いこなせるようになりたいと思い勉強を始めたのです。以来、同業の先生や他の士業の先生などで家族信託制度を積極的に学んで活用して行きたいという方々と交流を持ったり、また、勉強会などで切磋琢磨したりしてきました。以来、実際お客様からご相談を受けた時も、この制度を活用した方が良いと思われるものに対しては、制度の趣旨や概要についてご説明して、その方の事案に合ったスキームをご提案するようにして来ました。
相談事例1(事業継承) http://www.j-ssa.net/q11/
相談事例2(ペット信託)http://www.j-ssa.net/q06/
相談事例3(家産継承)http://www.j-ssa.net/q05/
先日、私が所属する行政書士会の有志で定期的に開催している勉強会のご案内が来て、ふと見てみると、この家族信託をテーマした勉強会を開催しますというものでした。「おっ!」と思ってよく見てみると講師が遠藤英嗣先生ではないですか!!これは参加するしかないという事で、早速申し込みをして先日参加して来ました。会場はとても熱気があり(※空調の関係も若干あるかも知れませんが・・・笑)約2時間の講義でしたが、やはり巨匠ご本人から聴く講義は、新たな発見もありとても有意義な時間でした。終了後、ご名刺交換をさせて頂き、遠藤先生は懇親会にも参加して下さいましたので、近しくお話もさせて頂き、持参した先生の著書「新しい家族信託」にサインまで頂く事ができました。あつかましいお願いにもかかわらず、快く応じて下さった遠藤先生に感謝致します!今後も常に勉強を続けて精進致します。ありがとう御座いました!!